コウノトリ

[連歌 鳥の歌]@ムジカーザに響く・鳥の歌

11月13日、[ムジカーザに響く 鳥の歌]コンサートが代々木上原のムジカーザにて行われた。

小田急線「代々木上原」駅から徒歩約3分、急な坂を息をはずませながら上っていくと、丸くてなめらかな建物が見えてくる。

「ムジカーザ」とは、イタリア語の[音楽(music)]と[家(casa)]を組み合わせた言葉だそうな。「音楽の家」の名のとおり、奏でることを考慮してつくられたホールで、1995年(平成7年)のオープン以来、音楽を愛する人たちの演奏会やリハの場として使われている。

外装と同様に内部もなめらかで、ぬくもりを感じるアットホームな空間だった。

本日のムジカーザには、スペシャルな版画たちが飾られていた。

石巻での連歌 鳥の歌コンサートにて、ステージを鮮やかに彩ってくれた「障子紙アート」。以後の[連歌 鳥の歌]コンサートと共に旅を続けているわけだが、今回のスペシャル版画たちは、その障子紙アートをご指導くださったつっちーさんによる力作である。

色鮮やかで元気あふれる版画たちは、急坂側の外壁やムジカーザ入口、さらには窓ガラスにも飾られ、お客さんや道行く人たちを楽しませてくださった。

つっちーさん、ありがとうございましたm(_ _)m

▼ムジカーザ特別バージョンの版画がお出迎え

連歌 鳥の歌@ムジカーザ

▼代々木上原の急坂を上る人たちにもご挨拶♪

連歌 鳥の歌@ムジカーザ

▼ムジカーザ入口にもスペシャル版画。光を浴びて輝いて、まるでステンドグラス……

連歌 鳥の歌@ムジカーザ

井上鑑(ピアノ)

ナターシャ・グジー(ボーカル&バンドゥーラ)

原田節(オンド・マルトノ)

鬼怒無月(ギター)

瀬木貴将(サンポーニャ&ケーナ) [敬称略]

 

▼もちろん今宵も、障子紙アートが飾られていました

連歌 鳥の歌@ムジカーザ

ナターシャ・グジー

 キエフの鳥の歌 (ウクライナ民謡)

 深い井戸 (ウクライナ民謡 編曲:V.ヴォイト)

 白い翼 (作詞・作曲:ナターシャ・グジー、編曲:井上鑑)

 鳥の歌:バンドゥーラVer. (カタロニア民謡)

原田節、井上鑑

 Absolute (作曲:井上鑑)

 The Beach is Far (作曲:井上鑑)

 鳥の歌:オルド・マルトノVer.(カタロニア民謡)

 悲愴ヴァリエーション (作曲:井上鑑)

鬼怒無月、瀬木貴将

 鳥の歌:鬼怒無月Ver. (カタロニア民謡)

 DULCE (作曲:瀬木貴将)

 WILDLIFE (作曲:瀬木貴将)

 INKA (作曲:瀬木貴将)

 鳥の歌:瀬木貴将Ver.. (カタロニア民謡)

 

今宵のコンサートは三部構成になっていて、まずはナターシャ・グジーさんが登場し、バンドゥーラを弾きつつ『キエフの鳥の歌』。コンパクトな会場ゆえ、今日はマイクを使わずに演奏される。心をこめて、ゆったりとふくよかに歌いあげてくださった。

続けて、『深い井戸』。踵を踏み鳴らしたり目をクルクル動かしたり、「あ~はっはっ!」と歌声も入ったり、とてもコミカルで楽しい曲だが、今日は客席が1メートル以内の至近距離で、ナターシャさんはちょいとやりにくそう……。

さらに、『白い翼』。

コウノトリは、赤ちゃんを運んでくるといわれている。ウクライナではさらに、「愛と平和のシンボル」でもあるそうな。

「自分の住んでいるところにも、コウノトリがやってくるんじゃないか?と、待っている子どもをテーマにしている」とナターシャさん。バンドゥーラの生音が柔らかくあたりを包み込む。間奏には今宵バージョンのアドリブが含まれ、この声がとてもまろやかで素敵だった。

そして、ナターシャさんによる『鳥の歌』。

[連歌 鳥の歌]サイトには、ウクライナの広大な大地で歌うナターシャさんの『鳥の歌』がアップロードされているが、今宵はバンドゥーラを弾きつつ歌うバージョンである。鳥たちが飛び立っていくような、細かい音色が続く。失った故郷、故郷に帰れないせつなさ、ナターシャさんの心があふれてくる・・・・・。

サビに入る直前で、アクシデントが発生した。

これから一番盛り上がるというタイミングで、こともあろうに、お客さんの携帯電話が鳴り出したのだ。すぐに切ってくれたらよかったのだが、何度か鳴って初めて自分の携帯が鳴っていることに氣づき、さらに、立ちあがってひそひそと会話を始めてしまい……。(!?)

気持ちを集中しようと、声量を上げるナターシャさん……。

会話はまだ続いている……。

さらに声量を上げようとするナターシャさん……。

他のお客さんたちは、ハラハラ&ヒヤヒヤ。なんだかとても痛々しい。

コンサート中は、きっぱりと携帯電話を切っていただきたいです。

どうかよろしくお願いいたします!(泣

 

第二部は、原田節さんのオンド・マルトノと、井上鑑さんのピアノによるコーナーである。

オンド・マルトノ:Ondes Martenotは、1928年(昭和3年)、フランス人のモーリス・マルトノ:Maurice Martenotによって発明された電子楽器。「オンド」は(電)波の意味だそうな。

原田節さんのオンド・マルトノ

『楽器の科学』によると……。

オンド・マルトノには鍵盤がついている。だが、この鍵盤はいわゆる鍵盤とは役目が異なっていて、ひいても音は出ないのだという。

鍵盤の手前には、ワイヤーにつながれた指輪(リュバン:ruban)がある(写真では、中央の「ラ」あたり)。演奏者は、リュバンに右手人差し指を入れ、左右に動かすことで音の高さを変化させる。

鍵盤手前にはさらに板があって、板には窪みと突起がある。白鍵の前に窪み、黒鍵の前に突起があって、右手人差し指を窪みor突起に当てると、その鍵の高さの音が出るのだそうな。

改良型のオンド・マルトノは、鍵盤を使って弾けるようになったとのこと、原田さんのお使いのオンド・マルトノもこのタイプではないかと思われる(運指の見える位置に座らなかったので不明)。

左手は何をしているかというと、左手前にある引き出しでボタンやトゥッシュ:toucheを操作している。ボタンで音色を操作し、toucheで音のON/OFFを行う。toucheは黒鍵のようなもので、押したときに音が鳴り、離すと音が消える。

さらに、背後にある貝殻のような形の物体はスピーカーで、スピーカーそのものを変えることで音色も変化する。

「演奏者のコントロールで成り立っている」と、原田さんは仰っていたが、なるほどかなり緻密なコントロールが必要な電子楽器のようだ。

オンド・マルトノは、映画音楽やCM、大河ドラマの主題曲などで使われているというが、なるほど、原田さんの演奏を聴いて納得した。

 

 

……とここまで書いたところで、いろいろな意味で時間切れ。続きはまた後日アップしますm(_ _;)m

演奏なさった皆様、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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