スペイン・カタルーニャの民謡『鳥の歌』は、カタロニアの祝歌のひとつ、キリスト降誕を歌っています。祝歌の中でみどりごを迎えるのは鷹、雀、小夜啼鳥、ミソサザイ。鳥たちはみどりごを、一輪の花にたとえて歌います。
カタルーニャを心から愛していたカザルス。彼はこの『鳥の歌』を編曲し、長く封印していた公開演奏を再スタートの際に演奏しました。以後も演奏会の際に必ず弾き続け、故郷への思慕と平和への願いが結びつく『鳥の歌』は、カザルスを象徴する1曲になりました。
カザルスが生きていた当時のカタルーニャは、戦禍の悲しみに引き裂かれていた時代でした。カザルスもまた独裁政権を容認せず祖国スペインを離れ、激しい政治に抗しようとしながらも巻きこまれていきます。
帰りたくても帰れなかった祖国。鳥たちが国境を越えて自由に大空を飛び回るように、『鳥の歌』には、自由と平和への想いが託されているのです。
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スペイン・カタルーニャ生まれのパブロ・カザルスは、20世紀の生んだ天才的音楽家の一人です。1876年12月29日~1973年10月22日。
当時のチェロは、両肘を両脇につけて演奏していました。音楽学校に通っていた12歳のカザルスはこの奏法に違和感をいだき、両脇から離して演奏するスタイルを確立。さらに、指使いと左手の動きも改良し、このおかげで同じポジションで半音広く弾けるようになりました。また、バッハの『無伴奏チェロ組曲』を再発見し、広く浸透させたのもカザルスの功績です。
カザルスは、スペイン内戦勃発とともにフランスに亡命し、以後も時代の波に巻き込まれつつも独裁政権への抗議と反ファシズムの立場を貫きます。1950年代後半からは、核実験禁止の運動にも参加しています。
1971年10月24日(国連の日)、ニューヨーク国連本部にてチェロを演奏、国連平和賞が授与されました。この席で『鳥の歌』を演奏する際のカザルスの言葉は、彼の心を象徴しています。
「私の生まれ故郷のカタルーニャの鳥は、"peace peace"と鳴くのです」
平和への想いを終生語り継いだパブロ・カザルス。そのカザルスの心を象徴する『鳥の歌』。
[連歌 鳥の歌]プロジェクトは、カザルスの想いを受け継ぎ、『鳥の歌』を俳諧連歌のように歌い交わし合うプロジェクトです。2012年初秋発足、2013年12月29日(カザルスの誕生日)まで期間限定で行われました。2014年秋頃からは第二楽章スタートの予定。発起人は、井上鑑さん。
プロジェクトに参加できるのはアーティスト&関係者に限られますが、一般人も「サポーター」として観覧したりYoutubeに『鳥の歌』作品をアップしたりする形で関与できます。サイトの閲覧は誰でも可能です。
「鳥の歌が聞こえなくなる日、それは"人間たちの歌"も消えてしまう日である。私たちが歌い続ける限り、その日はやってこないと確信しつつ」
-[連歌 鳥の歌]発起人ー
[連歌 鳥の歌]サイト →→→ http://thesongofbirds.com/
井上鑑さんの立ち上げた[連歌 鳥の歌]プロジェクトに賛同する一人です。
ただし、演奏者でもなければ関係者でもない、ただの部外者です。サポーターには賛助金の支払またはYoutubeでの参加が認められています。それ以外にもできることはないかと考え、[連歌 鳥の歌・サポーターサイト]を立ち上げることにしました。
今までに参加した[連歌 鳥の歌]ライブやイベントのレポートも束ねて、まとめて閲覧できるようにしました。演奏なさった皆さんの情報、『鳥の歌』やパブロ・カザルスさんに関する情報も以後充実させていきます。
[連歌 鳥の歌・サポーターサイト]は一人のサポーターが勝手に立ち上げたサイトです。[連歌 鳥の歌サイト]とは連動していません。もちろん非営利で行われていますし、文化活動といった大言壮語でもありません。
[連歌 鳥の歌・サポーターサイト]は、『鳥の歌』やカザルスについての情報、プロジェクトに関わるレポート等を追記&発信するサイトです。
Aqua Design Studio代表
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